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ワシントン 農家同士 共通の思い

2014年11月01日

 日米が激しく対立する農業分野で、貿易を担当する閣僚が緊迫した議論を交わした9月下旬の環太平洋連携協定(TPP)交渉。会場となったホワイトハウス近くの米通商代表部(USTR)ビルの前に突然数人の男女が現れると、スルスルと横断幕を広げた。

 「アメリカ政府、日本の農家をいじめるな」「TPP交渉官たちへ アメリカ農民は日本農民を支持する」。日本語だ。

 米側交渉官はほとんど日本語は読めないだろう。主催した自営農家の団体、全米家族経営農場連合(NFFC)のキャサリン・オゼー事務局長は「ここに来れば、日本の農家の皆さんにメッセージが届くと思って」と真剣なまなざしで訴えた。

 日本の市場開放を求めてUSTRを突き動かす農業圧力団体の主張との違いに驚いた。オゼー氏は「世界のどの農家も、適正な利益を得る権利がある。TPPは権利を侵害している」と、交渉がアンフェアな状態で進むことを恐れているという。

 今回、日本は譲歩案を示した。米側はそれに見合う譲歩をしなかったらしい。だが、その内容は秘密。疑心暗鬼だけが膨らんでいく。(斉場保伸)

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