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中国・瀋陽 国家の決めたままに

2014年11月10日

 見慣れたハングルの看板が通りの両側に並ぶ。中国東北部・瀋陽の「コリアンタウン」は、ソウルからの出張者には居心地の良い街だ。そこに行けば韓国語がそこそこ通じ、食べ慣れた料理にもありつけるから。

 北朝鮮直営とされるレストランに電話を入れた。ソウルと同様に「チャリ、イッソヨ(席、空いていますか)?」と店員に尋ねたが通じない。2度、3度繰り返すと「ああチャソク(座席)のことですね」と言われた。店員は北朝鮮から派遣されるため、朝鮮語と韓国語では言葉の言い回しが微妙に違った。

 韓国メディアによると、北朝鮮から中東や極東の建設現場、海外の縫製工場や飲食店に派遣される労働者は5万人に上るという。レストランで働く女性たちは若さと美貌、歌や楽器演奏などの特技が条件で、競争率が高いそうだ。

 競争を勝ち抜いた女性たちは、勤務先の都市や店を自ら希望できるのだろうか。瀋陽のレストランで女性に問い掛けると、涼しい顔で返された。「それは国家が配置します」。「国家」も「配置」も、ソウルでは日ごろ聞かない言葉だけに、妙に耳に残った。(中村清)

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