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平昌 会議迅速化の秘策?

2014年11月25日

 4年後の冬季五輪の主会場となるスキー場を初めて訪れた。韓国北東部の江原道(カンウォンド)・平昌(ピョンチャン)にあるリゾート地。今回の訪問は五輪関連の取材ではなく、当地で開かれた国際会議の記事を書くためだった。

 ソウルも秋の装いだが、平昌の寒さは予想以上。朝の最低気温は氷点下で、コートを羽織っても震えるほどだった。国連の生物多様性条約の締約国が2年に一度、集まる会議にはアフリカや東南アジアなど温暖な国々からの代表も多く、会場で配られた膝掛けを首に巻いている人も。毎回、参加している日本の研究者は「こんなに寒い会場は初めてだ」と驚いていた。

 寒さの原因は、標高700メートルというリゾートの位置の問題だけではなかった。既存の会議場が1カ所しかなく、他の数カ所の会議場はすべて仮設テントで、暖房すらなかったためだ。

 過去の会議では途上国と先進国の対立により、閉幕が深夜から翌日未明までずれ込んだが、今回は午後9時前にすんなりと終了。参加者の間からは、こんなささやきが漏れた。「会場の寒さも、実は会議を早く終えるための議長国の戦略の一つだったのでは?」 (中村清)