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北京 深い溝 報道に温度差

2014年12月24日

 約3年ぶりに行われた日中首脳会談の数日後、中国のシンクタンク研究員と会食する機会があった。彼は日中間の経済関係を主に調査しており、会話は自然と日中関係の行方になった。

 彼は靖国神社や尖閣諸島など政治問題は関心が高かったが、私が「日本国民の対中感情は悪くなってます。最近もサンゴの密漁問題があったばかりですしね」と話すと、彼は一瞬キョトンとして「サンゴの密漁問題って何ですか」と尋ねてきた。日本メディアの報道ぶりを説明すると「そうだったんですか。後で調べます」と初めて知った様子だった。

 中国ではサンゴの密漁問題について報じないか報じても目立たない扱いで、注意しなければ読み飛ばしてしまう。日中関係のニュースで目立ったのは、硬い表情で安倍晋三首相と握手する習近平国家主席の写真で「日本に対して強硬姿勢を崩すな」という論調があふれ返っている。

 相手の心情をおもんぱかろうとしない報道が招いた結果だが、日本に関心が高い彼ですらこの認識。他山の石としなければと自省しつつ、日中両国の間に横たわる溝の深さに気が重くなった。 (新貝憲弘)

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