2014年12月20日
出張の時、携帯電話とタブレット端末は役に立つ。地図やガイド本の代わりになるし、とっさに写真を撮ることもできる。当然、ブラジルにも携えた。
「悪いところとすごく悪いところしかない」。リオの治安について尋ねると、決まってこう返ってくる。中でもiPhone(アイフォーン)とiPad(アイパッド)の持ち主は強盗に狙われるらしい。
「レストランで誰が持っているかを外から見ていて、人けのないところで襲われる」。そう聞けば、いくら便利でも持ち歩くのはためらう。
そのリオで、最初にしなければならなかったのは、大統領選の投票所となる学校を探すことだった。地図を持って街に出たが、すぐに道に迷った。
道行く人に学校の場所を尋ねた。男性は「知らないけど、たぶん向こうの方」とニッコリ。親指を立てて去って行った。
その方向にあった売店の女性のポルトガル語は一言も分からなかったが、小さい地図に太い指で示した「だいたい、このあたり」の中に学校はあった。
iPadを使っていたら、リオの「いいところ」を見落とすところだった。 (北島忠輔)