2014年12月25日
「とにかく桁外れの大きさ」との評判を持つミャンマー国会議事堂を訪れる途中、驚きの光景を目の当たりにした。
何と、片側10車線で20車線ある道路がずっと延びている。車はたまに行き来する程度。同行したフィリピン人の助手も「こんなの、見たことない」と大はしゃぎだ。
途中、道の真ん中で4人の大人が座り込んでいた。自殺志願者か?と目を凝らすと、車線の幅の測量をほそぼそとやっていた。あまりにも広くて、ぽつんとしか見えない。
結局、国会議事堂への道は途中で遮られ、遠くから眺めるだけ。悔し紛れに徒歩で道幅を測ったら大股で95歩。灼熱(しゃくねつ)の中、大汗をかいた。
車の運転手に「Uターンして」と指示したら、何と、来た時と同じ方向の車線を走る。対向車が迫る。「このままじゃ正面衝突するぞ」と言うと「広すぎて、どの方向を走っているのか分からなくなるんだよ」と平然と言ってのけた。
なぜ、こんな広い道を造ったのか。「政変があったら、ここを滑走路代わりにして、飛行機ですぐ亡命できるようにするためさ」と運転手。(伊東誠)