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カイロ 命懸けのマイホーム

2015年01月04日

 エジプトの首都カイロで11月下旬にビルが倒壊し、少なくとも18人が死亡、8人以上がけがを負った。建物は違法に建築された疑いがあり、強度が十分ではなかったために突然崩れ落ちたとみられている。

 倒壊の現場は貧困層が多く住む地域。カイロやその周辺の貧困地域では、こうした違法建築が広がっている。業者などが違法建築した建物の部屋を比較的安価で販売。地方から仕事を求めて集まってきた人々が、こうした部屋を購入している。

 今回倒壊したビルの周りも違法建築が疑われる建物ばかりだ。現場近くに住むマハムードさんは「そりゃあ、倒壊は心配だよ。でも、今回の件の後も出て行く人はいないね。だって、行く所なんてないじゃないか」と話す。

 エジプトの違法建築物は全建物のうち半数以上に上るとの推計も出されている。今回は犠牲者が多かったが、突然の建物倒壊自体は決して珍しくない。

 日本では地方再生が大きな課題となっている。しかし、一極集中の弊害は何も日本だけの問題ではない。そして、ひずみはいつも貧しいところに現れる。 (中村禎一郎)

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