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ソウル 見事な手仕事に脱帽

2015年01月22日

 自宅のソファカバーがくたびれたので、新調することにした。外したカバーを手に、家族でソウル中心部の東大門市場へ。好みの色や柄の生地を選べば、注文通りに縫ってもらえると聞いたからだ。

 市場のビルの中には見渡す限り、布の専門店がずらり。どの生地にしようか迷っていると、1人のアジュンマ(おばさん)が寄ってきて、必要な布の大きさや仕立て代などをアドバイスしてくれた。店と契約している縫製担当という。

 布の代金を払うと、アジュンマから「ついてきて」と言われ、階段で地下1階へ。小さく区切られた店ごとに、ベテランとおぼしき女性たちがミシンの前に座って「ガガガガッ」と布と格闘していて圧巻だった。

 この13年間、休日の日曜を除いて週に6日、地下の店で働いてきたというアジュンマ。「布団でもカーテンでも、何でも縫うよ」とたくましい。

 数日後、完成したカバーを受け取って持ち帰り、早速、付け替えた。しっかりした手仕事に脱帽するばかり。おまけに安い。色違いのカバーをもう1枚、さらにカーテンも作ってもらうことにした。 (中村清)