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ベルリン 自転車店 忙しい理由

2015年02月05日

 花火が上がると自転車店がもうかる。ドイツではこんな図式が成り立ちそうだ。

 ドイツでは大みそかの夜、多くの人が自宅前の路上で花火を打ち上げて新年を祝う。今年はベルリン中心部にある知人宅の屋上で年を越したが、360度見渡す限りの街中で何千発、何万発もの花火がまたたき、この世の光景とは思えなかった。

 屋上から眺めるには美しいが、地上にいると結構危ない。酔った若者が花火を横に向けて撃ったり、人が歩くそばでねずみ花火を破裂させたりするからだ。当然けが人も出る。大みそか向け花火の国内販売は年々増えており、ドイツ西部のある州の消防幹部は「出動に恐怖を感じる隊員が増えている」と地元メディアに話した。

 年明けの路上は、花火の燃えかすと花火の発射台に使ったガラス瓶の破片で見るも無残。年明けに出勤した支局助手は、ガラスの破片で自転車のタイヤをパンクさせてしまった。出張修理でやってきた男性(50)に話を聞くと「毎年、年明けの1、2週間は修理が多いよ。普段の2倍、週30件ぐらいはあるね」。わが意を得たりとばかりに教えてくれた。 (宮本隆彦)