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パリ フィラエ効果に期待

2015年02月02日

 フランスの大統領府エリゼ宮に新たな“家族”が加わった。生後3カ月のメスの黒色のラブラドルレトリバー。クリスマスプレゼントにカナダから贈られた。オランド大統領の足元で腹ばいになった愛くるしい写真がマスコミをにぎわせた。

 仏大統領と犬とは浅からぬ関係のようだ。ジスカールデスタン、ミッテラン、シラク、サルコジ各氏と、歴代大統領はエリゼ宮で一緒に暮らした。中には有名になった犬もいるようで、ミッテラン氏の愛犬は、同氏の葬儀に参列。親日家で知られるシラク氏は「スモウ」と名付け、かわいがった。

 海を隔てたアメリカでも事情は同じ。プーチン・ロ大統領には秋田犬が贈られたとのニュースもあった。古今東西、犬は時の権力者のイメージアップに一役買う大切な家族と言えよう。

 さて、エリゼ宮の住人となった黒犬。大統領は「フィラエ」と名付けた。昨年、世界初の彗星(すいせい)着陸に成功した着陸機の偉業にちなんだ。

 史上最低とされた支持率が最近、世論調査で上向いたオランド氏。今後、フィラエがさらなる支持率向上に貢献してくれる、かも。 (渡辺泰之)