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北京 どう見ても上海人?

2015年04月01日

 「地下鉄の駅にはどう行けばいいの?」「○○ビルはどこにありますか」

 北京の街を歩いているとよく道順を尋ねられる。だれがどう見ても私の外見は中国人。「日本人だから知らない」とも言えず、できるだけ説明する。

 「中国人はマナーが悪い」といわれるが、経済成長とネット情報の普及で改善されている。以前は前触れなく、突然話しかけてくる人が多かった。今は「すいませんが」などと必ず前置きし、道順を伝えるとお礼の言葉が返ってくる。

 ただ、14億近い人口を抱える中国は広大だ。北京や上海のような大都会と内陸の都市や町では事情が全く異なる。地方都市からも日本を旅することが可能になり、当面は観光客と多少の摩擦はあるだろう。

 外国で長く暮らすと、その国特有の雰囲気や「におい」が体にしみつくような気がする。ウラル山脈より西の欧州とほぼ同じ面積の中国大陸には、欧州の言語を上回る「言葉」がある。

 日本に一時帰国して電車に乗ろうとした時、上海語で声を掛けられた。「上海人」と勘違いされてのことだが、ここは東京なんだから…。(白石徹)