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米ベツレヘム いつかは幻の味に?

2015年03月17日

 米東部ペンシルベニア州にある小さな町ベツレヘムは、自宅のあるニューヨークから車で2時間ほど。気軽に遊びに行くにはちょっと遠いが、おいしいピクルスをもらうためなら大した距離じゃない。

 酢を使ったキュウリなどの漬物で、ハンバーガーにも輪切りになったものが入っている。ベツレヘムに住む知り合いのおばあちゃんが作るピクルスは、絶品だ。

 冷蔵庫を開けると、びんがびっしりと並んでいる。日付の書いてあるふたを開けて、順に味見をしていくのは至福のとき。今回は、いくつか食べ比べ、漬けてから数カ月がたってしっとりとなった古漬けをもらうことにした。

 米国は移民の国だ。出身地や民族によって、材料や味付けが変わる。もちろん各家庭で伝えられてきた自慢の味もある。だが、伝統ある移民の味が次世代に伝わるかというと、どうも難しいようだ。

 近くに住む息子の妻が「うちのおばあちゃんのピクルス、最高でしょ」と自慢する。「作り方、習った?」と聞いたら、首をすくめて笑った。「私もあなたと同じよ。もらいに来るだけ」 (吉枝道生)

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