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ソウル 国旗運動の気味悪さ

2015年03月30日

 朝鮮半島が植民地支配から解放されて今年で70周年になるのに合わせ、韓国では国旗の「太極旗」の掲揚を啓発する運動が盛んになっている。植民地時代の「3・1独立運動」を記念する3・1節(3月1日)にも昨年は見なかった巨大な太極旗が、ソウル中心部の大通りに沿う多くの建物に掲げられた。

 支局があるビルの壁面にも、縦8メートル、横15メートルほどの太極旗が取り付けられた。ビルの管理室に聞くと、啓発運動をする市民団体から要請があり、今年初めて掲揚したという。

 直前には、マンション入り口に国旗の掲揚場所を設けたり、自宅で国旗を掲げた写真を生徒が学校に提出することを義務付ける法改正案を、政府が検討しているとの報道があった。「時代錯誤だ」と批判が噴出し、実現しそうにないが、韓国人の友人は「朴正熙(パクチョンヒ)大統領のときの軍事独裁政権時代に後退するようだ」とこぼした。

 韓国では1989年までは毎夕、国旗を降ろす際に国民全員が起立、片手を胸に当てて見守ることが義務付けられていた。日本と同じく「保守化」が進む風潮に、何となく気味悪さを感じている。 (島崎諭生)

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