2015年04月15日
北京に赴任して1週間。ホテル暮らしを脱し、ついに住居を決めた。
不動産会社の担当者と何件かのアパートを見て回ったが、悩みの種となったのは、どの物件も大き過ぎることだ。
国土が日本の約25倍もある中国は、とにかく何もかもが大きい。リビングも寝室も10畳以上はあろうかという広さ。トイレや浴室もゆったりした造りだ。1人暮らしのため持ってきた荷物は多くない。これほど広い部屋が必要だろうか。
こっちの気持ちを知ってか知らずか、担当者は100平方メートル以上の物件まで用意していた。家族連れでも十分過ぎるサイズだ。いぶかしげな表情の私を見て、担当者は「最近は家族連れの赴任が少なくなり、空いている部屋が多いから」と説明した。
家族連れの赴任が少なくなった理由は、やはり空気の悪さ。粒子状物質(PM2.5)で汚染された北京の空をニュースで見た日本人は、家族と一緒に来るのをためらうのだという。
悩んだ揚げ句、1番狭い物件を選択。もっとも担当者はこれを予想していたようだ。「広すぎる家の1人暮らしは寂しいですよね」 (秦淳哉)