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ソウル 鉄条網は慣れっこ?

2015年04月24日

 韓国はここ数年、登山ブームで、週末には登山服姿の中高年の男女が大勢、郊外の山に向かう。暖かくなった先日、私もソウルの北にある北岳(ブガク)山(標高342メートル)に、気軽な登山に出掛けてきた。

 北岳山は、大統領府の背後にある山。14世紀にソウルを囲むように造られた城壁に沿って登山道があり、2時間ほどで頂上まで行ける。警備は厳しく、登山口で身分証を提示して許可証をもらい、途中ではほとんど写真撮影はできない。城壁に沿って鉄条網が敷かれ、軍人が待機する哨戒所も所々にあった。

 1968年には北朝鮮の武装ゲリラ31人が、当時の朴正熙(パクチョンヒ)大統領を襲撃しようと侵入し、韓国軍との銃撃戦が起きた。頂上近くの松の木には、15発の銃弾の痕が残り、そこだけ写真撮影が許されている。そばには「スパイを見つけたら通報を」と書かれた横断幕が張られていた。

 登山道には家族連れらがあふれ、鉄条網のわきで「下ったら、おいしい物を買ってね」と親にねだる子どもの声が響いていた。日常生活のすぐ近くに緊張がある。これが韓国なのだと実感した。(島崎諭生)

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