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上海 誇大広告横行に絶句

2015年04月23日

 唐代の詩人・李白の五言絶句に「白髪三千丈」の誇張表現もあるお国柄。でも、文学ならともかく、上海市が昨年、虚偽違法広告1906件を摘発したとのニュースには驚いた。

 大気中の微小粒子状物質PM2.5を99%遮断できるとして、実際の実験データに基づかない「高性能マスク」を宣伝していた会社が摘発された。

 宅配クリーニング会社は迅速なサービスを宣伝しようと、乗客がいる地下鉄車内で女性モデルが下着だけになる「着替えショー」をさせて撮影した。

 違法映像はその後、ネット上に流出し、皮肉なことに会社の認知度が高まる結果に。

 摘発の対象は外資系企業にも及び、米国の家庭用品大手はコンピューター処理した「真っ白な歯」の映像を使って歯磨き粉を宣伝したとして、虚偽違法広告では過去最高の603万元(約1億2000万円)の罰金。

 経済大国になっても、偽物の横行や誇大広告は消費者を悩ませる。李克強首相は全人代(国会)で「製造大国から製造強国への転換を」と、品質向上を強く訴えたが、「上に政策あれば、下に対策あり」と言われる国だけに…。(加藤直人)