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ソウル 丸刈り抗議関心薄く

2015年05月22日

 子どもを事故で亡くした母親や父親たちが、政府に抗議するため、集団で頭を丸刈りにしていく。その異様な光景に、衝撃を受けた。

 韓国南西部沖で昨年4月16日に起きた、フェリー「セウォル号」沈没事故から1年。船長や乗員の刑事訴訟とは別に、遺族の要望で設置が決まった真相究明特別調査委員会は、調査委の構成などで政府と遺族が対立し、いまだに出帆していない。遺族たちが1周忌を前に行った丸刈りは、政府案の撤回を求める怒りの行動だった。

 一方で、世間の反応は冷ややかだ。ソウル中心部の広場に設置し続けているテントでの署名活動に足を止める市民は、事故直後と比べれば極端に減った。“丸刈り抗議”の翌日、革新系新聞は大きな写真で報じたが、保守系大手紙はほとんど記事を載せなかった。背景には、過激にも映る遺族と政府の、長引く対立への嫌気があるようだ。

 「なぜ、世間はこんなに変わってしまったのか」。抗議の際に遺族たちは、通り過ぎる市民に向かってマイクで呼び掛け、おえつを漏らした。雲に覆われた空が、重苦しさを増したように感じられた。 (島崎諭生)

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