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ソウル 重苦しい「父母の日」に

2015年06月03日

 韓国では、5月8日は「父母の日」。日本の「母の日」や「父の日」と同様、子どもたちが親への日ごろの感謝の気持ちを込め、カーネーションの花かごなどを贈るのが一般的だ。

 そんな日に、悲しいニュースが飛び込んできた。昨年4月のフェリー「セウォル号」沈没事故で高校生の息子を亡くした父親が自宅で首をつり、死亡した状態で発見された。電話に出ないため、自宅を訪ねた父親の弟が見つけたという。

 十数年前に妻と離婚し、一人暮らしだった父親。妻と暮らす息子と会う機会は少なかったが、事故後は悲しみに沈んでいたという。死亡した日は自らの誕生日でもあり、何かのきっかけで息子の後を追ってしまったのだろうか。

 事故では、修学旅行中の高校生250人が犠牲になった。救出された75人も心と体の傷が癒えず、医療機関に通院する。ある父親は「事故から1年を前にして、自殺を図った女子生徒もいる。幸い命に別条はなかったが…」と、うつむいた。

 韓国で「家庭の月」とされる5月。事故の関係者らは、昨年とは、また異なる苦しみの中を生きている。 (中村清)

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