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独ザルツウェーデル バウムクーヘンの街

2015年06月20日

 ドイツでおいしいバウムクーヘンを食べるのは、意外と難しい。「元祖」や「本家」を名乗る店が各地にあるのだが、妙に堅かったり、パサパサしていたり、甘すぎたりして、われら日本人の肥えた口を満足させてくれない。在留邦人の間では、激安で有名なスーパーの自社ブランド商品が一番、口に合うとの評判もある。

 「本物のおいしいバウムクーヘンはどこにあるのか」。そんな問いを抱えて先日訪れたのが「バウムクーヘンの町」を自称する北部ザルツウェーデル。街中で数軒の専門店が味を競う。そのうちの創業1842年(日本では江戸時代の天保年間)という店のカフェに入った。

 出てきたバウムクーヘンは適度にしっとりしていて、甘すぎず、おいしかった。週末だったせいもあるのか、奥行きのある広い店内は満員で、ひっきりなしに観光客が出入りするにぎわいぶりだ。

 ただ店を一歩出ると、そこにあるのは死んだように寂れた街並み。旧東独のこの小さな町は、バウムクーヘンを除いて、共産体制崩壊で訪れた経済自由化のチャンスを生かせなかったのかもしれない。 (宮本隆彦)

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