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台北 甘く危険なスカウト

2015年06月26日

 夕食会後、台北の地下鉄で座って帰る。右前に妙齢の女性。チラッチラッとこっちを見る。「知り合いかな…」と顔を上げる。違う。見たことがない。また、こっちを見る。「ひょっとしたら…」とネクタイに手。曲がってない。ズボンの前も大丈夫。この女性はなんだ?

 次の駅で隣席が空き、そこへ彼女が座る。メモしている。間もなく「私は○○と申します」と名刺。広告会社の名に手書きで携帯電話の番号。「あなたは雰囲気がある。北欧でのCF撮影に、出てみませんか?」。えっ、私がモデル?

 渡航手続きなど費用2万元(約8万円)は自己負担だが、代行するので前払いとか。ちょっとヘン。「興味があれば、携帯電話に」と次の駅で降りた。台湾の知人に話すと「そりゃ詐欺だ。この暑い中、背広にネクタイなら金持ちに見える。しかも白髪。狙われたんだよ」。

 ネットで名刺の会社を調べ、電話したら、会社は正しいが、○○さんはいなかった。台湾で詐欺が増えているというが、自分の身に降りかかるとは…。きれいな花には刺(とげ)がある。がっかりしたが、ちょっぴり甘酸っぱさが残った。 (迫田勝敏)

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