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ソウル 構想は壮大 横断鉄道

2015年07月01日

 ソウル中心部の広場で先日、韓国政府が南北朝鮮統一の利点を宣伝するイベント「統一博覧会」を開いた。アニメキャラクターの着ぐるみショーや、統一に関するクイズが多彩に催される中、目を引いたのは、仮想の「大陸横断鉄道」だった。

 広場の縁にソウル駅や平壌駅、モスクワ駅、ロンドン駅などの表示板を設置。そこをミニチュアの汽車が周回し「南北統一されれば、鉄道でソウルから欧州まで行ける」と宣伝する仕組みだ。汽車に乗った幼児たちを親が盛んに撮影していた。

 韓国では表向き、ほとんどの人が「南北統一を望む」と語る。だが、ある韓国メディアが5月に発表した世論調査では、6割が「南北統一は必要だが、急ぐ必要はない」と回答。若年層などに、統一による経済的負担への懸念が増えている。

 朴槿恵(パククネ)大統領は昨年、「統一は大当たりだ」と発言して大陸横断鉄道構想などを示したが、統一を願う世論が盛り上がる気配はない。南北の対話も、長く途絶えたままだ。多額の費用を掛けたとみられる、夢ばかり強調するイベントに、韓国政府の抱く危機感の一端が見えたように思った。 (島崎諭生)

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