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タイ・メーサリアン 故郷に希望なければ

2015年07月28日

 タイ北部のメーサリアンから車で数時間の山中にある難民キャンプを訪ねた。ここで暮らすのは、ほとんどがミャンマーの少数民族カレン人で、1万人を超える規模だ。内戦を逃れて国境を越え、長い人は既に20年になるという。

 案内してくれた支援団体の担当者は「あまり外国人が来ないから、警戒されるかもしれない」と心配していたが、子どもたちはニコニコしながら寄ってくるし、カメラを向けると大人も笑顔を見せる。

 ただ、10年前にカレンの村からやってきたジョンビーさん(38)は「暮らしは良くない。物が足りない」と話した。家族は、キャンプで知り合った妻と男の子3人。葉っぱで屋根をふいた小屋に住み、食料や医療は支援に頼っている。

 内戦が終わったら早く故郷に帰りたいだろうと思って聞いてみると、「戻りたくない」。村は戦闘で荒れ果て、簡単には復旧できない。それに仕事がないから食べていけない。そう説明する口調からは、あきらめが強く感じられた。

 希望を持てということが無理なのだろうか。そうではないと信じたい。(大橋洋一郎)

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