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タイ クラブリー 300メートル向こうは違う国

2015年08月18日

 頬をなでる風が心地よい。タイの国旗がはためく小さい桟橋に立つと、クラブリー川を挟んで300メートル先の対岸に、ミャンマーの国旗。周辺にいる人の動きが分かる。

 「川を挟んで、こんな近くに隣国の人の動きが見えるのは珍しい」とタイ在住30年以上の友人も少し興奮気味だ。

 女性がミャンマー側から小舟で来て、桟橋にいたバイクタクシーに乗る。入管はない。ミャンマー人はビザなしでタイ側の港周辺だけ行くことができる。タイの市場を利用するなど、1日1000人が恩恵を受けている。

 桟橋にいたタイ人の主婦グループは「すぐそこにミャンマーの街が見えると聞いて初めて来た。すごく近いのね」と驚く。「ミャンマー側へ行きたい?」と聞くと「いやよ。怖い国でしょ」。長く続いた軍事政権のイメージが強いようだ。

 そばにいた20歳ぐらいの男性にいろいろ尋ねたが、タイ語は分からず、「ミャンマー」としか答えない。桟橋は焼けるように熱いのに、ぼろぼろのシャツにはだし。着飾った主婦らとは対照的だ。小舟で3分ほどと距離は近くても、両国の貧富の差は、大きい。 (伊東誠)

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