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台北 線香の煙が減っても

2015年08月20日

 台湾のお寺や廟(びょう)といえば、もうもうと上がる線香の煙が付き物だが、台北の龍山寺では6月から線香の煙が減った。参拝客が減ったのではない。境内にある7つの香炉のうち4つを撤去し、3つに減らしたからだ。

 「なぜ? 環境保護ですよ」と今年93歳になる寺の薫事(とうじ)長、黄欣山さん。台北市の委託で環境問題の専門家グループが境内を調査、線香の煙には微量ながら微小粒子状物質(PM2.5)も含まれるとの報告を受け、香炉を減らすことにした。台北市内では行天宮が昨年、香炉を全廃した。

 もちろん、1738年の建立以来、たき続けてきたお線香だけに、簡単に決めたわけではない。黄さんは寺の主神、観音菩薩(ぼさつ)に「7つを3つに減らしてもいいですか」とお伺いを立てた。「3回聞いて、3回ともいいよということでした。それで安心して減らしました」

 媽祖(まそ)や月下老人がまつられている観音様の裏手は5つの香炉が一つに。無料のお線香も7本から3本に減らした。煙が減ると寂しくなるが、上げる線香が減っても御利益が減るわけではない。参拝客も減っていないという。 (迫田勝敏)

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