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米ボストン 納税者の意地を見よ 

2015年08月19日

 名もなき住民の訴えが、国を挙げてのプロジェクトを覆した。2024年の夏季五輪の招致を撤回した米ボストン。5月に取材した反対集会で「この街に五輪はいらない」と話していた男性を思い出した。

 「ここには独立を導いた歴史と豊かな自然があり、誇り高い市民がいる。ほかに何が必要だって?」。生粋のボストニアンは、そう言って「五輪反対」と書いたプラカードを掲げた。

 集会での説明によると、1960年以降の五輪で、計画当初の予算額に収まった例はない。超過分は開催都市の負担、つまり税金をあてたことになる。

 参加者のアンケートで、8割が「納税者としての責任感」から五輪に反対すると回答。五輪よりも教育や環境保護に投資すべきだとの意見が相次いだ。

 1月の世論調査では30%前後だった反対派が7月には50%まで増加。立候補表明から半年で、市長に「五輪の赤字を市民の血税で穴埋めはできない」と言わしめた。

 「代表なくして課税なし」をスローガンに英国の植民地支配に抵抗したボストン。税の使い道に目を光らせる住民の意地を見た。 (北島忠輔)

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