2015年09月01日
カイロに住んでいると、どんなお札を手にするかは重要問題だ。エジプトでは日本で想像できないほど汚いお札が出回っている。破れすぎて粘着テープで「修理」しなければ元の形が保てない10ポンド札(約157円)、ペンで何かの印が書き込んである100ポンド札などは珍しくもない。汚いお札の画像をここに掲載したいほどだ。
こんな状況だから、問題は多発する。会計の際に10ポンド札を出したら「この汚い札は使えない」と言われたことが一度や二度ではない。そう言われて、仕方なく奇麗な100ポンド札を出すと「もっと細かいお札はないのか」と文句をつけられる。また、汚いお札が手元に多く残ってしまうと、どこで使おうかと頭を悩まさなければならない。
しかし、なぜ汚くなってしまうのか。エジプト人が財布をあまり使わず、札をそのままポケットにしまい込むからというのが大きな理由のようだ。
ただ、お札が奇麗なら大丈夫というわけでもないらしい。先日、有名ファストフード店のレジで待っていると、前の客の支払いをめぐって大騒ぎが発生した。使われたのは奇麗な偽札なのだった。 (中村禎一郎)