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ニューヨーク 接客は日本食の売り

2015年08月31日

 景気が順調に回復し飲食店もにぎわっているニューヨークのマンハッタンには、多くの日系企業が出店を計画している。その一つで九州を地盤とする居酒屋チェーンの日本人駐在員を対象にした調査に協力した。「平日夜、外食する日数は」「どんなメニューがほしいか」などの質問を矢継ぎ早に受けた。

 「家族といる時間が増え、仕事後の外食は激減した」と答えると、調査担当者は「そういう方が意外と多いので、驚いた」という。日本では帰宅前に同僚らとちょっと飲む、いわゆる「ちょい飲み」が習慣になっている会社員もいるが、海外赴任すると公私ともに何かと気苦労が重なる。家族の体調が気になったりもして、外食の回数は減るのだろう。

 担当者は「駐在員の需要は想像していたより低い」と肩を落としたが、同時に「ニューヨークにはサービスが行き届いていない日本食の店もある。日本ならではの接客を持ち込めば米国人をターゲットにできる」と自信もみせた。

 確かに味だけでなく、きめ細かいサービスも日本食が人気を集める理由の一つ。それを「売り」にするのは重要な戦略だろう。 (東條仁史)