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ハワイ州ラハイナ 日系人の足跡刻む碑

2015年09月17日

 「その碑はここから2マイル(約3.2キロ)ぐらい先にありますよ」。米ハワイ州マウイ島ラハイナの広大なサトウキビ畑を抜けるハイウエー。第二次世界大戦時の日系人の足跡に触れたいと、車を走らせた。

 ラハイナ市街にある文化遺産博物館の1枚の写真に目を奪われた。第二次世界大戦に命をささげた西マウイ地域の人たちの名前が刻まれた碑。その前で兵士たちが敬礼をする1944年に撮影された写真だ。碑はラハイナ市民センターに移設されたと担当者が教えてくれた。

 ハワイといえば故ダニエル・イノウエ上院議員をはじめ、デービッド・イゲ州知事も日系人。日系人が信頼を得るために積み重ねた月日の重みをズッシリと感じる。第二次世界大戦時の日系人の働きは戦後70年の今なお、日本人の存在感の一部を担っていることは間違いない。

 移設された碑はガラスの向こう側に置かれ、名前がよく見えなかった。後日写真を保管するラハイナ復興基金の担当者に尋ねると「名前を撮影して送ります」。アジトミ、チネン、ハラダ…。送られた写真で日系人と思われる名前は実に33人中24人だった。 (斉場保伸)