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ヘルシンキ 障害者ロックが席巻

2015年10月08日

 Aina Mun Pit●●(aウムラウトが2つ)(アイナ・ムン・ピター)。ヘルシンキの雑貨店で、白いエコバッグに印刷された文字が目についた。店員に意味を尋ねると「『いつも強制される』。障害のあるパンクロックバンドの歌で、人気なんですよ」。

 「洗濯しなければいけない」「行儀よく食べなければいけない」。ペルッティ・クリッカさん(ギター)らダウン症や学習障害のある男性4人組が、激しいビートで窮屈な日常生活を叫ぶ。欧州の国別音楽対抗番組「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」で今年、フィンランド代表に選ばれた。

 バッグの売り上げの一部は障害者支援に回るとか。買って持ち歩いていたら、若い女性がにこにこ顔で話し掛けてきた。「彼らの音楽、最高だよね」

 ユーロビジョンでバンドは下位だった。でも、国内で、彼らのストレートな音楽表現は、障害への同情ではなく、自然体で支持されているように見えた。自立や対等を重んじる社会の素地があればこそかもしれない。バンド名は「ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト」(ペルッティ・クリッカの名前の日)という。(小嶋麻友美)

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