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米アトランタ 日米間にそびえる壁

2015年11月17日

 環太平洋連携協定(TPP)交渉は、米ジョージア州アトランタで行われた閣僚会合でようやく大筋合意に達した。アトランタで主に自動車分野について取材したが、やはり米国有利の結論になったとの印象だ。

 日本の乗用車に米国がかける関税が撤廃されるのは、実に25年目。日本政府交渉筋は「長いが、これは約束せざるを得なかった」と述べた。

 一方、自動車部品については輸出額ベースで約81%の関税を即時撤廃する。一見、完成車に比べると日本にとっては喜ばしい内容だ。ただ、ある米自動車関係者は「米自動車大手の日本からの部品調達率は高い。恩恵がある関税の撤廃は米政府も受け入れやすかったのでしょう」と内情を教えてくれた。

 2008年、北海道洞爺湖での主要国首脳会議開幕前、主要テーマの地球温暖化について日本の外務省担当者が「腰が重い米国が積極的に取り組むよう日本は一生懸命説得している」と何やら誇らしげに語ったのを覚えている。「日本が米国にモノを言うのも大変なんだ」と言わんばかりだった。いまだ、米国は交渉相手として高い壁なのだと実感した。 (東條仁史)

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