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米ブロンクスビル 地域の今 タウン誌で

2015年12月09日

 ニューヨーク・マンハッタン中心部から電車で30分ほどのブロンクスビルという町に住んでいる。定年退職した夫婦などが多く住み、米国内でも治安の良さで知られる地域だ。帰りも遅く、地域との交流はほとんどないが、週に1回、スマートフォンに送られるタウン誌が貴重な情報源になっている。

 特に、事件や住民からの相談などに関する地元警察の記事には目を通す。最近では「ある人が銀行に1500ドル預けたら、後で銀行から『うち100ドルは偽札だった』との連絡が来た」という記事が目に留まった。

 2週連続で「自宅駐車場の車から現金が盗まれた」との報告も。いずれも車に鍵を掛けていなかった。安全な町とはいえ、気を緩めないよう啓発する狙いもあるのだろう。

 私自身、20代で日本国内の支局勤務だったころ、警察で取材したこぼれ話を紹介するコーナーを書いていた。事件余話など、世相や地域の特性を反映するケースも多い。今、米国のタウン誌を読みながら「当時、自分の記事を生活情報として活用してくれた外国人の読者はいたのかな」と、ふと振り返ることがある。 (東條仁史)