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中国・敦煌 豚冷遇に穀物浪費説

2015年12月11日

 古くからシルクロードの分岐点として栄えた中国甘粛省のオアシス都市・敦煌を訪れた。

 街の中心部には、中国のイスラム教徒である回族が経営する「清真料理」の店が軒を連ねるにぎやかな夜市があった。

 夜風に吹かれて友人と羊肉串焼きに舌鼓を打ちながら、イスラム教徒がなぜ豚肉を口にしないかが話題になった。

 インドのヒンズー教徒が神聖視する牛を食さないのは有名である。これに対し、イスラム教の聖典コーランは「豚は汚れた動物なので食べてはいけない」と定めているという。

 豚が「汚れた動物」とされる理由には諸説紛々。旧約聖書に「ひづめが分かれていて反すうする動物しか食べてはいけない」とあるとの説。中国の友人は「乾燥地帯では牧草を食べる牛や羊とは共存できるが、貴重な穀物を食べてしまう豚を忌避した」と解説。「怠けものの豚は嫌われた」と言う人も。

 どの説が正しいかは分からなかった。だが、年間降水量が中国全土で2番目に少ないわずか39ミリという土地に広がる砂漠を目の当たりにし、個人的には「穀物浪費説」にとても共感を覚えた。 (加藤直人)

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