2015年12月21日
スーパーに何種類ものカボチャが山積みされ、秋の到来を告げている。しかし、どれも日本の品種とはまったく違うので、今まで買うことはなかった。
たまたま立ち寄ったサンフランシスコ近郊のファーマーズマーケットで、ある耕作者とカボチャの話になった。
その人は「カボチャ」という日本語を知っていて、「パンプキン」と「カボチャ」の語を使い分けていた。
「これは交配した新品種でカボチャに近い」と重さ3キロほどのものを薦めてくれたので、日本風の甘煮を試してみた。カボチャに近いというものの、甘みが強過ぎて、しかも煮くずれしやすいことが分かった。
翌週のマーケットの日、水と砂糖を半量にして短時間で仕上げたところ、かなり日本の甘煮に近づいた。早速、耕作者へ持ち込むと、その場で頬張って大きな笑みを浮かべた。
カボチャはパンプキンパイの材料として消費されることが多いが、かなりの量は腐るまで秋を彩る飾り物にされるか、くりぬいてハロウィーンのランタンにされる。観賞用として、食べずに捨てられてしまう野菜の代表格でもある。 (岡田幹夫)