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米ウェストバージニア 愚直な姿勢 不正暴く

2016年01月18日

 ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が米国の排ガス規制を不正に逃れていた問題で、発覚の端緒をつかんだのは米ウェストバージニア大(ウェストバージニア州)の研究チームだ。現地で実験の概要などを取材したが、インドやスイス出身者もいる多国籍集団で、笑いが絶えない陽気なエンジニアたちだった。

 一番知りたかったのは、不正の背景にある構造的な問題についてだ。悪事を企てた当事者であるVWの罪は重いが、当局はなぜ長期間にわたって見抜くことができなかったのか。消費者をあざむく不正の再発防止に向け、どこに根源的な原因が潜んでいるのか、エンジニアの知見を聞きたかった。

 ところが、この種の質問を向けても、さらりとかわして肝心なことはなかなか語ろうとしない。その姿勢は「目の前のデータを分析することが自分たちの仕事だ」と答えているかのようだった。

 日本でも難解な製品の取材で丁寧に説明してくれるエンジニアに出会ってきた。万国共通のこんな愚直な仕事ぶりが新しい技術を生み、そして時には不正を暴く。 (東條仁史)

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