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バンコク 「買うよ」 庶民の連帯

2016年01月22日

 バンコクはたびたび大洪水に見舞われる。交通は途絶え、車もだめになる。プラユット首相もバンコク首都圏庁の洪水対策の無策ぶりに不満を漏らしていた。そこで、首都圏庁は運河の上で店を開いていたゲームソフトや玩具店など300の店の立ち退きを命じた。

 現場は中華街の一角にある「サパンレック市場」の一部。運河を覆うように立って「水の流れを妨げ洪水を助長している」という理由だ。

 様子を見るために訪れた11月初旬、まだ、取り壊されていない部分では在庫処分の名目で大安売り。学生や幼い子らが目を輝かせながら行き来する。

 市場の外の路上には追われた業者があふれる。時計を売っていたアンチャサーさん(53)は10年、おもちゃや飲み物を売ってきた。「2週間で立ち退けと言われて驚いた。短すぎる。次に行く場のあてがないよ」

 皆、威勢のよい掛け声で、1個でも多く買ってくれと必死。それに応えるかのように、多くの人がどんどん品物を買っていく。励ます声も飛び交う。「軍政には抵抗できない。その分、みんなで応援しよう」。庶民の心意気を感じた。 (伊東誠)

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