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米サンバーナディーノ 赤子と同じ屋根の下

2016年02月10日

 イスラム過激思想に感化されるとは、どういうことなのだろうか。疑問を解くヒントが得られるかもしれないと思い、車を走らせた。

 米カリフォルニア州サンバーナディーノの福祉施設で起きた銃乱射テロ。死亡した容疑者夫婦の自宅が、家主の許可で公開された。殺到した記者らは、イスラム教の聖典コーランやクレジットカードの利用履歴などを手に取っては「こっちにもあるぞ」と撮影していた。

 目についたのは、赤ちゃん用品。おむつや粉ミルク、歩く練習をするための器具などが置かれていた。新品の靴や知育用のタブレット端末などからは、わが子の成長と将来を楽しみにする両親の姿が想像できた。

 1年前に結婚した2人には生後6カ月の子供がいた。「イスラム教は穏やかな信仰です」。現地の信者は偏見を恐れた。容疑者夫婦は、その穏やかな暮らしの裏で大量の銃器を蓄え、来るべき「その日」に備えていたとされる。

 わが子の成長を見届ける幸せを捨ててまで、罪なき人への銃撃に向かわせた思想とはいったい何なのか。謎は深まっただけだった。 (北島忠輔)

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