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香港 本土で出会えぬ笑顔

2016年02月19日

 香港国際空港から市内に入り地下鉄に乗るため交通機関に使うプリペイドカードを買おうとした。要領を得ずに、近くにいた若い男性に中国語で助けを求めた。男性は最初、面倒そうな態度を見せた。私を中国本土からの観光客と思った様子。日本人だと分かると、とたんに優しい表情になり、駅の改札口まで世話を焼いてくれた。

 翌日、オフィス街で若い女性が野生動物保全の署名を集めていた。求めに応じて名前を書くと「日本人ですか」と英語で聞いてきた。うなずくと、「アリガトウ」を連発。本土では出会ったことのない笑顔に、気持ちがホッとした。

 市内の至る所に、日本語の広告。あちこちの地下鉄駅で、安室奈美恵さんの公演予告を目にした。連日のように抗日ドラマがテレビで放映される本土とはまったく異なる光景だ。

 真珠湾攻撃と同じ日の1941年12月8日、香港は日本軍の侵略を受け、終戦まで占領された。なのに、対日感情はとてもいい。当地への中国政府の影響力は年々、強まっているという。日本人にとって心地よい空気だけは、変わらぬままであってほしい。 (城内康伸)

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