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ネパール・ポカラ 電気つかぬ観光地で

2016年02月25日

 世界最高峰クラスの山々を望むポカラはネパール有数の観光都市。昨年4月の大地震で被害がなかったのに、風評被害で観光客が激減したという。年末に再び訪れて、まず目にした光景は、点在する燃料販売店に、空になったプロパンガスの小型ボンベが1カ所に数100個、多いと1000個近く並んでいたことだ。

 中の上クラスのホテルに泊まったが、夜しか、電気はつかない。商店の中も薄暮の時、真っ暗だ。街路灯は点灯されておらず、街全体が暗い。

 本来ならこの時期、ホテルは満室が当たり前なのに「32室あるのに埋まっているのは7室だけ」とフロントの女性がため息をつくほど。観光ガイドも務めるネパール人の友人によると、インドから物資が届かない状況が続いているためだそうで「観光で成り立っている街なのに」とがくぜんとしていた。

 日暮れから間もなく、レストランでスープを飲もうと注文したら、「待ってください」と店員は厨房(ちゅうぼう)へ。しばらくして、ほっとした表情で「大丈夫です。プロパンはまだ残っていました」。光も熱も奪われる生活はつらい。この地で生活する人々の胸中を思った。 (伊東誠)

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