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カトマンズ 被災少年の持つ才能

2016年02月29日

 ネパールの大地震から120時間後に救助され、奇跡の少年と呼ばれた少年に震災半年後に取材した時、15歳だが、人の心をくすぐるのが抜群にうまく“人たらしぶり”に驚いた。

 安い賃金で泊まれるカトマンズのゲストハウスで働いていた少年。現地の助手に事前に取材の約束を依頼したのだが、警戒して会おうとしない。現場に張り込んで、待っていたら数時間後、偶然、姿を現した。「待っていてくれたんだね」と身長140センチに満たない少年は悪びれず、にっこり。出来の悪い弟のようについ許してしまう。

 Tシャツをおみやげにあげると、感激し、着ていたトレーナーを脱ぎ捨て、寒いのに「うれしい。これ着て写真撮影でも何でもするよ」とまた、にこり。閉じ込められた様子を話し始める。サービス精神旺盛だ。

 食堂の仕事のほか、使いっ走りの“何でも屋”で大人並みに稼ぐ。「ご飯でも食べて」と小銭をもらったりすれば「このお金で実家に帰れるよ」とニコリとする。中学校を中退しても生き抜くすべなのだろう。「あの笑顔で人の心をつかむ。一種の才能だ」と近くにいた少年の友人がポツリ。運も? (伊東誠)

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