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台北 家康公にあやかって

2016年03月15日

 総統選の取材で台北市内を回っていて「ガウディ」「ショパン」といった名前の入った建物を見かけた。ファンなのか、あやかろうというのか、歴史上の人物の名を付けるのは珍しくないそうで、台北近郊には「夏目漱石」という別荘街もある。

 総統選も例に漏れてはいなかった。選挙戦最終日の朝、野党・民進党の蔡英文候補は中部の台中市にある「徳川家康大楼」というマンション前で「最終日はここから出発し、台湾の再起を訴える」と声を上げ、各地で最後の呼びかけを行った。

 台湾メディアは「辛抱、我慢の末に天下を取った家康と自分を重ね合わせた」と解説した。

 蔡氏は4年前の総統選に敗れた後、派閥争いが激しい党内をまとめ上げ、台湾全土を歩いて各地の町内会に顔を出す「どぶ板活動」を続けた。地道な取り組みが支持を集め、今回は与党・国民党候補らに圧勝。5月には初の女性総統に就任する。

 家康は満60歳で征夷大将軍となり、江戸幕府を開いた。蔡氏も今年で60歳。広がる貧富の格差の是正、大陸・中国との関係など課題は多いが、家康のごとく「太平の世」を築けるのだろうか。 (平岩勇司)

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