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ベルリン 福島への温かな視線

2016年05月29日

 ドイツ人女性監督による、震災後の福島を描いた映画「フクシマ・モナムール」が先日、ベルリン国際映画祭で公開され、早速見に行った。

 被災地で暮らす日本人芸者と、支援に駆けつけたドイツ人の若い女性との交流の物語。劇場はほぼ満席で、上映後は盛大な拍手が湧いた。スタッフや観客ら多くのドイツ人が、復興に苦しむ日本に関心を寄せていることを素直にうれしく思った。

 それだけでなく、映画は日本文化への敬意も感じさせた。ドリス・デリエ監督は会見で語った。「津波で床、柱、屋根だけになった家が、茶わんや火鉢、着物などを置くだけで、日本文化の様相を取り戻すことに感銘を受けた。ドイツで同じことが起きたら、こうして取り戻せる文化があるだろうか」

 この映画を製作した動機について、監督の説明は意外にも「怒り」だった。震災後、多くの外国人が日本を離れたこと。そして、故郷ドイツの交響楽団が来日公演を取りやめたことに対してだという。

 背を向けた外国人もいるが、温かなまなざしを向ける外国人もいる。そんなメッセージが十分、伝わってきた。 (垣見洋樹)

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