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ヤンゴン 「記念に1枚」に苦笑

2016年04月17日

 「日本人ですか。お参りの方法、分かりますか」。ミャンマー最大都市ヤンゴンの中心部にある仏塔スーレーパゴダを訪ねた時、若者が日本語で声を掛けてきた。観光スポットで外国人に親しげに寄ってくる人間は、どこの国でも要注意だ。

 でも、確かにお参りの仕方は知りたい。仏教施設の境内で法外な金銭の要求はないだろうと思い、案内を頼んだ。自分の生まれた曜日によって拝む場所が違うなど、独特の決まり事がいくつかあって、慣れた様子で教えてくれた。

 お参りを一通り終えたところで、彼は「私は孤児院で奉仕をしています。寄付をお願いします」と切り出した。相場は3万チャット(約3000円)以上といい、けっこうな額だ。寄付する義理はないと断り、案内のお礼に数1000チャットだけを渡すと、彼は懸命に食い下がった。「あなたと出会えた記念に日本のお札を1枚ください」。これには苦笑いするしかなかった。

 その後、彼と別れてすぐに他の若者から「案内してあげよう」と呼び止められた。どうやら、よほど人がよさそうな顔に見えたようだ。少し表情を引き締めた。

  (大橋洋一郎)

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