2016年05月10日
多くの上海っ子は上海が中国で最も先進的で洗練された都会だと思っている。レストランなどで店員を呼ぶ表現もスマート。相手が男性なら「帥哥(シュアイガ)」、女性なら「美女(メイニュウ)」と呼びかける。
帥哥は格好いいお兄さんの意味。日本ならイケメンのイメージか。「美女」との呼びかけは「お姉さん」ぐらいの意味だが、ブスッと無愛想な中年の女性店員でもすっとんで来るのをみると、美しいというニュアンスもあるのだろう。
社会主義の色濃い時代の中国では、男女を問わず「同志(トンチー)」と呼びあっていた。
北京に勤務していた15年ほど昔のこと。レストランの女性従業員に「小姐(シャオジエ)」と呼びかけることもあった。
小姐には良家のお嬢さんという響きもあったが、そう呼ばれるのを嫌がる店員もいた。ナイトクラブの女性を小姐と呼ぶ風潮が広まったからだ。
今では、店員に「服務員」と呼びかける地方が多い。でも、私の周りの上海人は気どって「帥哥」「美女」と繰り返す。
流行最先端の上海人の誇りであり、より良いサービスの現世利益を期待する商都の流行でもあろう。 (加藤直人)