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米ベセスダ 初登校 反応それぞれ

2016年06月13日

 米ワシントン近郊には日本人学校がない。英語が分からなくても地元校に転入するしかなく、わが子の姉弟もメリーランド州ベセスダの公立校に入った。英語が分からない日本人の子どもたちは、学校から帰って泣きはらす日々が続くという。

 小学1年の長男(8つ)は、帰ってからどころか朝から泣いた。始業前、家族で校長や担任、専科の先生にあいさつをして回った。「ようこそ」「楽しい日々を過ごしましょうね」などと先生らは声をかけてくれた。だが、息子は理解できずに戸惑うばかり。「何言ってるか分かんないよ」「いやだ、帰りたい!」

 泣きじゃくる息子を抱きしめ担任は、「あとは任せて仕事に行って」。後ろ髪を引かれる思いで学校を去った。職場でも仕事に集中できるわけがない。

 昼前まで泣き続けた彼もその後は落ち着き、無事に帰ってきたと夕方に妻から聞いた。ひとまず安心したが、今後も心のケアが肝要と気を引き締めた。

 一緒に初日を終えた小学5年の長女(11)の様子も聞いた。娘いわく「何言ってるか分からなすぎて、全然困らなかったよ」。ワンダフル。受け止め方はいろいろだ。(石川智規)