2016年07月03日
「A・B・C・D」という名前のエジプト人男性を考えてみる。エジプト人の名前は四語で構成され、親が付けるのはA。一般的にBは父親、Cは祖父、Dは曽祖父から受け継ぐ。
公式文書に名前を記す場合はA・B・C・D。日常生活では「A・B」または「A」と名乗るのが普通だ。男性に子どもEができると、曽祖父Dは消えて「E・A・B・C」となる。
ただ、先祖に有名人Fがいる場合は、状況が変わる。曽祖父の代わりに、Fを名前に残すことができるからだ。
仮に有名人Fが男性の先祖だったら、彼の名前は「A・B・C・F」、その子どもEの名前は「E・A・B・F」となる可能性がある。男性の名前にFが入るとしたら、彼は恐らく「A・B」でなく「A・F」と自己紹介するだろうという。
カイロで暮らしていると、エジプト人には、イスラム教の預言者から取った「ムハンマド」「ムスタファ」など宗教的な名前が多いのに気付く。中にはムハンマド・ムハンマド・ムハンマド・ムハンマドさんといった名前の人もいるのだとか。
また結婚しても名前は変わらない。 (中村禎一郎)