2016年07月07日
「共和党ドナルド・トランプ氏と民主党ヒラリー・クリントン氏のどっちがいい」。5月初めに米国赴任した際、ダレス国際空港の入国審査係官からの質問は、米大統領選の候補者選びで有力な2人のどちらを支持するかだった。
思わず、無難に「日本にとってはクリントン氏の方がいいと思う」と答えたら、米海軍出身という黒人の係官は「本当かよ。おれはトランプ氏を支持している」。さらに「夫のビル・クリントン氏が2期もやったんだから『クリントン氏』はもう十分だろ。ヒラリー氏のどこがいいんだ」と問い掛けられた。
個人的にクリントン氏を支持していたわけではない。そのため、相手を説得できるような回答がすぐに思い浮かばず、苦笑いしてその場をごまかすしかなかった。すると、係官はトランプ氏について「必ず何かをやってくれる。強い男だぞ」とアピールしてきた。
「何をするか分からない」と不安視されているのに、支持者からはそれが期待感として評価されているトランプ氏の強さ。入国審査係官とのやりとりで、早速、米国のトランプ旋風に直面した。 (後藤孝好)