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ロンドン 「離脱」実は濁らない

2016年07月20日

 欧州連合(EU)から離脱するか、国民投票を今月末に控えた英国で「Brexit」という言葉を見ない日はない。Britain(英国)とExit(出る)を組み合わせた「英国の離脱」の意味だ。

 問題は、どう読むか。日本の新聞記事やリポートでは、片仮名で「ブレグジット」と書かれる。私もそう理解していた。日本では「exit」を「エグジット」と学ぶからだ。

 ある集まりで、最近の関心事を聞かれて「もちろんBrexitです」と答えたら、一瞬、間があって「ああ、Brexit」。自分の発音が悪いせいかと思ったが、よく聞くと彼の「Brexit」は、片仮名で書く「ブレクシット」。「xi」の部分が濁らないことに、今さら気がついた。他の英国人に聞いても「『ブレグジット』は変」と言う。

 アメリカ英語とイギリス英語の違いでもないようで、「exit」の発音は英国にも両方あるらしい。とにかく「Brexit」は「ブレクシット」。せっかく身に付けた正しい発音だけど、この言葉を使う機会は、今月限りであってほしい。 (小嶋麻友美)