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香港 「天安門後」 世代の壁

2016年08月08日

 天安門事件から27年を迎えた香港。蒸し返すような暑さの中、追悼集会の会場となったビクトリア公園には12万5000人(主催者発表)もの市民が集まった。学生団体は出席を見送ったが、広場入り口には拡声器で中国民主化を叫ぶ若者たちや活動のカンパを求める人たちであふれ返っていた。

 「一国二制度」で表現の自由を認められているが、香港の若者は中国の圧力をじりじりと感じているのだろう。民主的選挙で行政長官を選べるとの期待は裏切られ、実際には親中国派しか行政長官になれない仕組み。彼らの危機感が一昨年の「雨傘運動」の引き金となった。

 「毎年来ている。香港人としての責任だから」。追悼集会に来た理由を女子高生はこう話した。「同じ民族として、中国が民主化しないと香港の民主化もない」と話す男子学生もいた。

 一方で「天安門事件は今の若者たちが生まれる前の出来事。関心が薄れつつあるのも事実」と運動の先細りを心配する声も聞いた。事件を実体験した世代と資料や映像でしか見ていない世代との意識の差。民主化に向けて、越えなければならない壁がここにもある。 (秦淳哉)

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