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北京 年男は「赤」で厄よけ

2016年09月05日

 今年に入ってから、公私ともに不調だ。路上で転んで脚に1カ月のけがを負い、治りかけた時に足の指を骨折した。仕事でも、苦労して約束を取り付けた取材をドタキャンされた。

 中国の知人にそう嘆いたら、「あなたは申(さる)年生まれ?」と突然、質問された。その通り、今年で48歳の年男だが?

 「やっぱり! 中国では自分の生まれ年は『本名年』と言って、悪いことが起きるというんだよ」。なんと。では、12年おきに不幸が訪れるの?

 「いや、若いうちは運勢が強いから問題が少なく、36歳からが危険。人によって違うが、あなたは今回が『当たり』かも」。うーむ、日本の厄年や本厄のようなものか。

 いまひとつ納得できず総局の中国人助手らに尋ねると、「僕は36歳で突然、結石ができて何度も入院しました」「私は48歳の年、買ったばかりの携帯をなくしたり、悪いことばかりでした」と次々に語る。

 対策は「赤いものをまとう」ことという。中国で赤は伝統的に運勢を高める色だ。「年男は日本なら縁起がいい年なのに」とぼやきつつ、最近は赤い靴下をはいている。 (平岩勇司)