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マドリード 選択済んで 不安なお

2016年08月31日

 「結局、消去法さ」。スペインの出直し総選挙投票日。昼食に立ち寄ったマドリード繁華街のレストラン。取材に来たと言うと、主人が語り始めた。欧州金融危機で打撃を受けたスペイン。この店も例外ではなかった。客が減り、従業員の整理を余儀なくされた。売り上げは最盛期の4割に落ち込んだ。

 「本当に苦しかった」

 6割にまでしか回復していない現状に満足していないが、最近、景気に「明るさ」も感じる。「与党が何かしているとは思わない。でも経済はこのまま良くなってほしい。大きな変化は望まないんだ」。与党の国民党に票を投じると言った。

 一方、投票所前で声をかけた働き盛りの男性。「今の政治に不満だ」。飲食店員として何とかやりくりする生活だが、将来への心配は消えることはない。だから「変革」を願って、急進左派政党に希望を託した。

 結局、与党・国民党が議席数を増やして第一党を堅守、一応「安定」を望む民意が示された形だ。ただ与党も過半数に遠く及ばない。連立協議ですんなりと新政権ができるかはなお不透明だ。国民の不安感は消えていない。 (渡辺泰之)

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